Before (改善前)

精密板金加工の曲げ加工において、曲げ角度に30分(0.5°)などのシビアな角度公差を設けると、コイニング(圧力曲げ)加工での曲げ加工が必要になります。そのため、コイニング加工用の金型しか使用することができたくなるので、加工形状に制限が発生してしまいます。また、コイニング加工用の金型しか使えないため、深曲げ用のグースネックの金型を使うことができなくなるなど、過剰な公差の設定は加工の制限につながります。

V

After (改善後)

曲げ角度を60分(1°)の公差に緩和することで、精密板金加工品の加工形状の制限を少なくすることができます。60分(1°)の角度公差であればコイニング(圧力曲げ)加工が不要となり、加工形状が制限されにくくなります。また、鋭角の金型、深曲げ用のグースネックの金型など様々な金型を使用することも可能となります。加工方法の制限がなくなるので、最適なコストで必要な加工を行うことが可能となります。

POINT(要約)

精密板金加工品にシビアすぎる公差を設けてしまうと、その加工自体を行うことが難しくなってしまいます。嵌合部や組み立てに使用される箇所でなければ、公差を少し緩和することで加工方法の幅も広がり、適切なコストで最適な加工を行うことが可能になります。