精密板金加工に適用される表面処理について知る
精密板金加工品には、加工工程の終盤に表面処理を施すことがあります。表面処理をすることで、本来その材質が持ち合わせていない特性を付加することができます。例えば、屋外で使用されるような製品の場合は耐食性が必要になります。そのような場合は、メッキを施して耐食性を付加することで仕様を満たすことができます。また、外観部分に使用されるような製品はきれいさが問題になることもあります。このような場合、塗装を施すことで見た目も特徴的な製品に仕上げることができます。
以下に、表面処理方法についてまとめます。
① メッキ
メッキは素材に薄い金属膜を析出させる表面処理方法です。メッキをする金属が持つ様々な特性を付加することができます。例えば、SPCCは耐食性を持っておらず錆びてしまいますがニッケルメッキを行って耐食性を持たすことができます。メッキは大きく分けて、電気メッキと無電解メッキの二種類に分けることができます。
② 塗装
塗装は素材に対して塗料を表面に付ける処理です。焼付塗装や粉体塗装など塗装方法は多岐に 渡ります。塗装はメッキと比較して装飾性に優れています。メッキは金属膜を析出させているので、当然表面はその金属の色になります。塗装の場合は、様々な色の塗料が存在しており美しい外観に仕上げることができます。
③ シルク印刷
シルク印刷は、孔版の孔からインクを付けて印刷する方法で、一般にシルクスクリーンやスクリーン 印刷とも呼ばれます。シルク印刷は用いられる孔版の再現性が悪く、通常の紙媒体への印刷はあまり行われませんが、シルク印刷で用いる孔版は、曲面・金属への印刷が可能なため、精密板金加工品にも使用されます。シルク印刷を活用することで、製品に対してメーカー名や商品名などの文字を直接印字することができます。
< ブランク加工の加工コストを下げるレーザー・タレパン複合機 の加工風景 >